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Mattan, K.*; 小野 俊雄*; 河村 聖子; 中島 健次; 南部 雄亮*; 佐藤 卓*
Physical Review B, 105(13), p.134403_1 - 134403_8, 2022/04
被引用回数:3 パーセンタイル:45.85(Materials Science, Multidisciplinary)スピン1/2のカゴメ格子反強磁性体CsCuSnFの磁気励起について、高分解能飛行時間法中性子非弾性散乱実験によって調べた。フラストレートしたカゴメ格子反強磁性体に特徴的な平坦なモードや低エネルギー側の強い分散を持つモードは線形スピン波理論で記述できる。しかし、一方で、9-14meVの領域にある分散を持つ強度の弱い3つのモードについてはそれが破綻する。この3つのモードについては、ゾーン中心から離れるか温度を上げるかすると自由スピノンに崩壊して連続励起になる2スピノン束縛状態と思われる。
藤原 理賀*; 森田 克洋*; Mole, R.*; 満田 節生*; 遠山 貴巳*; 矢野 真一郎*; Yu, D.*; 曽田 繁利*; 桑井 智彦*; 幸田 章宏*; et al.
Nature Communications (Internet), 11, p.3429_1 - 3429_7, 2020/07
被引用回数:39 パーセンタイル:92.14(Multidisciplinary Sciences)Observation of a quantum spin liquid (QSL) state is one of the most important goals in condensed-matter physics, as well as the development of new spintronic devices that support next-generation industries. The QSL in two-dimensional quantum spin systems is expected to be due to geometrical magnetic frustration, and thus a kagome-based lattice is the most probable playground for QSL. Here, we report the first experimental results of the QSL state on a square-kagome quantum antiferromagnet, KCuAlBiO(SO)Cl. Comprehensive experimental studies via magnetic susceptibility, magnetisation, heat capacity, muon spin relaxation, and inelastic neutron scattering measurements reveal the formation of a gapless QSL at very low temperatures close to the ground state. The QSL behavior cannot be explained fully by a frustrated Heisenberg model with nearest-neighbor exchange interactions, providing a theoretical challenge to unveil the nature of the QSL state.
飯田 一樹*; 吉田 紘行*; 中尾 朗子*; Jeschke, H. O.*; Iqbal, Y.*; 中島 健次; 河村 聖子; 宗像 孝司*; 稲村 泰弘; 村井 直樹; et al.
Physical Review B, 101(22), p.220408_1 - 220408_6, 2020/06
被引用回数:22 パーセンタイル:80.82(Materials Science, Multidisciplinary)鉱物センテニアライトCaCu(OD)Cl 0.6DOの結晶構造と磁気構造をシンクロトロンX線回折と中性子回折測定に密度汎関数理論(DFT)と疑似フェルミオン汎関数繰り込み群(PFFRG)の計算を組み合わせることで調べた。CaCu(OD)Cl 0.6DOではCuイオンは反強磁性と幾何学的に完全なカゴメネットワークを形成する。CuとCaイオン間のサイト間無秩序は見つからなかった。CaCu(OD)Cl 0.6DOは=7.2K以下で磁気秩序を示し、負のベクトルスピンキラリティーを持つ=0の磁気構造が現れる。0.3Kでの秩序モーメントは0.58(2)Bに抑えられている。我々のDFT計算では、この系が量子臨界点の近くにあり、--カゴメ反強磁性体の優れた実現であることを示唆している。
中野 博生*; 坂井 徹
Journal of Physics; Conference Series, 868, p.012006_1 - 012006_10, 2017/07
被引用回数:3 パーセンタイル:78.46(Physics, Applied)カゴメ格子反強磁性体のスピンギャップ問題について、ひし形クラスターの数値対角化によるエネルギースペクトルと有限サイズスケーリングにより解析した。その結果、カゴメ格子反強磁性体は三角格子反強磁性体と同様にギャップレスであるという結論が得られた。
坂井 徹; 中野 博生*
Physics Procedia, 75, p.821 - 828, 2015/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.04(Physics, Applied)S=1/2カゴメ格子反強磁性体の磁化過程について42スピン系までの数値対角化により研究した。臨界指数の解析により、3分の1磁化プラトーのような振る舞いは、従来知られるものとは異なるものであることが示された。それは、低磁場側では微分磁化が無限大になるのに対し、高磁場側ではゼロになるというものである。さらに本研究では、歪んだカゴメ格子反強磁性体が3分の1磁化プラトーを示すことを確認した。
稲見 俊哉; 森本 多磨喜*; 西山 昌秀*; 前川 覚*; 岡 与志男*; 奥村 肇*
Physical Review B, 64(5), p.054421_1 - 054421_6, 2001/08
被引用回数:33 パーセンタイル:81.06(Materials Science, Multidisciplinary)磁化率と粉末中性子回折の測定から、カゴメ格子反強磁性体KCr(OD)(SO)がこれまでの報告と異なり、4.0Kで明確な反強磁性秩序を持つことを見いだした。磁気構造はいわゆるq=0型の120度構造であったが、定量的な解析を行ったところ、ほぼ平面型の120度構造をなす磁気モーメントの方向が、ab面内で均等に分布しているという結果になった。われわれは、この物質の基底状態として、q=0構造がc軸の回りでゆっくり回転しているというモデルを提案する。この解釈は得られた磁気構造や試料依存性を良く説明するものである。
稲見 俊哉; 西山 昌秀*; 前川 覚*; 岡 与志男*
Physical Review B, 61(18), p.12181 - 12186, 2000/05
被引用回数:24 パーセンタイル:73.39(Materials Science, Multidisciplinary)カゴメ格子反強磁性体のポタシウムジャロサイトの磁気構造を中性子粉末回折を用いて研究した。通常、カゴメ格子では、基底状態の高い縮重度のため長距離秩序が阻害され、また、理論的には、絶対零度で構造がq=0構造より安定であるとされている。しかしながら、ポタシウムジャロサイトは65Kでq=0構造に秩序する。加えて、q=0構造は、正と負のカイラリティを持つ2つの状態が縮重しているが、観測された磁気構造は正のカイラリティのみでできていた。われわれは、弱い-イオン性の異方性がこの磁気構造を実現させていることを見いだした。ジャロサイトにおける比較的高温での磁気秩序もこの異方性に帰着できる。
稲見 俊哉*; 前川 覚*; 高野 幹夫*
J. Magn. Magn. Mater., 177-181, p.752 - 753, 1998/00
被引用回数:18 パーセンタイル:66.37(Materials Science, Multidisciplinary)カゴメ格子反強磁性体は、極めて揺動の大きい系として知られており、その基底状態の性質には大変興味が集まっている。ジャロサイト化合物では、Feのイオンがカゴメ格子を組み、モデル物質と考えられている。残念ながら、約60Kで3次元秩序化するが、最近逐次相転移が行っていることが、NMRなどから判明し、フラストレーションとのからみに興味が持たれている。この逐次相転移の性質を明らかにするために、中性子回折での磁気構造の決定を試みた。低温相の磁気構造は、いわゆるq=0構造であることが明らかになったが、中間相の構造は、S/Nが十分とれず、不明である。
社本 真一; 池内 和彦*; 梶本 亮一; 山内 宏樹; Balakrishnan, G.*; Chang, L.-J.*
no journal, ,
ハイパーカゴメ格子MnRhSi単結晶を用いた中性子非弾性散乱で、共存する異なる短距離と長距離の磁気秩序を観測したので報告する。